高校受験対策 小学校算数・英語 中学英語・数学
のめり込むことの楽しさ

 昔、ある小学六年生の社会の授業で、担任の先生が大和時代の年表をつくってきなさいという宿題を出した。20070228163204.gif
その子は帰宅して兄に尋ねた。
兄は、中学生用の歴史の参考書を「ほらっ」と言いながら渡した。
その子は、参考書の最後のところにながながと折り込みで入っていた年表を見て仰天した。

「こんなにあるの」

 小学生の目には中学生のお兄さんの持っている参考書は、百科事典のように見えた。

 その子は、文具店へ行き大きな模造紙を買い、細長く切って、年表の形をつくり、参考書の年表を丁寧に写した。

 学校へ行き、先生に宿題を提出するように言われ、その子はみんなと違う自分の年表を隠すようにそっと先生に手渡した。

 翌日、教室の掲示板に数枚の年表が貼られていた。
名前を見ると、いつも成績がいい子たちのきれいな字で、きれいな色をつけた年表があった。

 そして一番下にやたらと長く、小学生としては内容が詳しすぎる年表が貼られていた。その子のものだった。でも、その子は嬉しかった。

 宿題は毎週続いた。年表はどんどん延びていった。

 先生も、その子の輝く目を認め、何も言わずに彼の年表を毎週継ぎ足しては貼り、どんどん延ばしていった。

 そしてその子は、中学生になり社会科ではだれにも負けない成績を取り続けた。

 さて、その子は大好きな歴史を学ぶために大学へ進学し、社会科の先生になったのだろうか、それとも歴史学者にでもなったのだろうか。
 いいえ、その子は大学の工学部を卒業し、技術者としての道を選んだのです。人生、これだからおもしろいのだと思う。

 その先生は、カマキリと呼ばれていたのだった。


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